今年に入り、株式市場が順調に推移しており、特に半導体銘柄が大きく注目を浴びているように感じています。特に、「エヌビディア」が大きく成長が目覚ましく、羨ましくなるところですが、今は輝かしく見える銘柄も長期視点で見たときに、そのセクター(業種)が順調に伸びていったとしても投資銘柄が市場競争に必ずしも勝ち続けるとは限りません。そこで活用出来るのが、特定の業種に丸ごと投資が出来る「セクターETF」です。今回はそんなセクターETFについて解説していきたいと思います。
✅セクターETFとは?
米国市場の株式を特定の業種やセクターに分類して投資するためのETF(上場投資信託)です。これにより、特定の業種に焦点を当てて投資することができます。
✅メリット①リスク分散
セクターETFは特定の業種に投資するため、リスクを分散できます。例えば、ヘルスケアセクターに投資するETF(VHT)は、医薬品メーカーやバイオテクノロジー企業などをカバーしています。個別株の場合、その業種が伸びていたとしても、競合他社の台頭により投資した企業が思ったほどの成果を上げれなくなる。不祥事などがあった際には大きな損害を被るリスクがあります。その点、業種に幅広く投資が出来るセクターETFは業界全体が伸び続ける限りその恩恵に預かることが期待できます。
✅メリット②市場サイクルへの対応
セクターETFは景気循環に応じて適切なセクターに投資できるため、市場の変動に対応しやすいです。例えば、景気回復期にはサイクリカルなセクター(消費者向けサイクリカル、工業、エネルギーなど)に投資することが考えられます。
✅セクターETFごとの主な企業(11業種)
①VDC 1株:198.1ドル
配当利回り:3.62%(2024.02.27現在)
- 生活必需品 (Consumer Staples): プロクター・アンド・ギャンブル、コカ・コーラ、ウォルマート
②VHT 1株:269.62ドル
配当利回り:1.33%(2024.02.27現在)
- ヘルスケア (Health Care): ジョンソン・エンド・ジョンソン、ファイザー、メルク
③VPU
1株:133.78ドル
配当利回り:3.92%(2024.02.27現在)
公益事業 (Utilities): ネクステラ・エナジー、デューク・エナジー、サザン・カンパニー
④VGT
1株:515.27ドル
配当利回り:0.62%(2024.02.27現在)
- 情報技術 (Information Technology): アップル、マイクロソフト、エヌビディア
⑤VIS
1株:232.14ドル
配当利回り:1.76%(2024.02.27現在)
- 資本財 (Industrials): ゼネラル・エレクトリック、ボーイング、3M Company
⑥VDE
1株:119.82ドル
配当利回り:3.54%(2024.02.27現在)
⑦VOX
1株:127.78ドル
配当利回り:0.9%(2024.02.27現在)
- 通信サービス (Communication Services): メタプラットフォーム、アルファベット、ネットフリックス
⑧VCR
1株:312.74ドル
配当利回り:0.75%(2024.02.27現在)
⑨VFH
1株:97.58ドル
配当利回り:2.21%(2024.02.27現在)
- 金融 (Financials): JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ
⑩VAW
1株:191.41ドル
配当利回り:1.86%(2024.02.27現在)
- 素材 (Materials): ダウケミカル、デュポン、エコラブ、リンデ、PPGインダストリーズ、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ、フリーポート・マクモラン
⑪VNQ
1株:83.98ドル
配当利回り:5.09%(2024.02.27現在)
- 不動産 (Real Estate): サイモン・プロパティ・グループ、アメリカン・タワー・コーポレーション、プロロジス
✅まとめ・活用法
ITや半導体等業種としての成長は見込んでいても、個別に勝ち残る企業を選別するのはリスクを伴いますが、セクターに丸ごと投資出来る「セクターETF」であれば、業種全体の成長恩恵を受けることが可能です。又、メインは「VTI」や「VOO」、「VT」等市場を全体に投資できるETFに投資し、その中で成長期待の業種や割安になっている業種の比率を上げたい時などに活用が出来ます。
セクターローテーションを上手くつかむことが出来れば、面白いかもですね。